毎年冬に味噌を仕込むのが定着してきました。
最初は2012年の冬。通販の「味噌作りセット」を購入し、大豆を茹でて潰して塩麹と混ぜるだけでした。
次の年からは種麹を入手し麹から作っています。毎年改良しつつ2月にちょっと作業、後は放置して熟成させるだけです。使う量が減ったので2022年は少なめでしたが、その過程を記します。
麹の準備
麹にも米麹、麦麹がありますが、今回は麦麹で作りました。
手順は上記の通りです。蒸す時はアサヒ軽金属のゼロ活力なべSを使いましたが、普通の蒸し器でも構いません。この活力なべは約1.4気圧になるので雑菌による汚染の恐れは確実に少なくなると思います。ふだんの料理にも圧力鍋として重宝しています。
麹の保温容器はスーパーで不要になったシイタケ運搬用発泡スチロール箱です。空調していない2階の北向きの部屋に置いています。
保温に使ったのは一人用のホットマットです。家で余っていたものを利用しました。
毎年の気候で変わりますが、概ね室温5-10℃、容器内は20-25℃に保たれます。ホットマットは「強」にしています。一番下のバットが乾燥気味になるので、一日ごとに上のバットと入れ替えています。
バット一枚に入れる蒸麦は、粒が厚く重ならないよう広く浅く。その方が麹菌が綺麗に密に生育します。
種麹はもともと量が多く、使い残りはセロハンテープで封して冷蔵庫で保管しています。一年以上保管した後でも変わらず生育しており、自分で食べる味噌なので気にしていません。
ここでは麦のみですが、何割か米を混ぜても大丈夫です。種麹は糀屋三左衛門からの購入品です。
大豆の準備
大豆は地元産の黒大豆と北海道産トヨマサリを混ぜて使いました。以前は茹でてから潰していましたが、去年から蒸す方法に変えています。水分が適度に減って、熟成中表面に溜まる発酵液を取る手間が省けるのが主な理由です。正確にはトヨマサリ250gと黒大豆150gでした。
ゼロ活力なべSを使うと蒸し時間10分+放置冷却で、十分に柔らかくなります。
茹でた大豆を仕込んだ場合には、味噌の上に皿と重しを乗せて発酵液を貯め、醤油代わりに料理の味付けに使う楽しみもあります。
仕込み
大豆が蒸し上がったらミンサーで潰し、麦麹と塩を混ぜたところに加え、更に良く混合します。この貝印ヘルシーミンサーは少しずつしか投入出来ませんが効率良く処理できます。塩分は薄め、11%にしています。
時間があれば、全体を手で混ぜた後もう一度ミンサーに通して麹と大豆をなじませます。
この操作で全量約2.4kgとなり、更に同じ量でもう一度繰り返し、約2.5㎏、合わせて約5kgを容器に入れ、表面に塩を振りかけラップで覆い、蓋をすれば後は熟成させるだけです。
容器は空調していない2階北西角の部屋に置いており、真夏は35℃近くになります。2022年で10回目になりますが、今までのところ、熟成中のトラブルには遭遇していません。
熟成中は月に一度蓋を開けて確認し、表面に別の黴などが見つかれば速やかに取り除きます。
こだわり
作る際にこだわったのは保存容器。樹脂製品はゴミの問題もありますが、必ず可塑剤が含まれるので避けました。最初の容器に直ぐひびが入り、調べたら輸入品でした。改めて常滑焼の製品を購入し使っています。
麹の作り方も様々あると思います。何℃から何℃の範囲で保温しなければ・・と厳密に考えなくても麹菌はちゃんと生育してくれます。
夏を越しました
夏を越して9月中旬になりました。発酵が進み、味噌らしい色と香りです。
今回初めてトヨマサリを使ったためか、味に深みが出たように思います。
2023年は別の会社が販売するトヨマサリを購入して早めに仕込みを終了しました。記載の方法4回分で約10kgです。
市販の味噌を・・
2022年に仕込んだ分を使い切ってしまい、仕方なく市販の味噌を豚汁に入れました。味噌とはとても思えない、あまりに薄っぺらな味に驚きました。5本の指に入るメーカーの製品ですが、水増し味噌としか感じられませんでした。
もしあなたがまだ手作りされたことがなければ、是非一度「手前味噌」を試してみて下さい。味が・全然・違います。毎年条件が必ず異なり、常に新しい味に出会えることも楽しみのひとつかと。
ここに記した材料の配合量は、あくまでひとつの例です。大豆と麹の割合、塩分濃度、その年の気候で味も香りも変わります。ご自身のお好みの条件を探してみて下さい。
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9月に入りました。今年はまだ暑い日が続いています。ちょっと早めかと思いましたが使い始めました。(^ ^);
2024年は前年と同じ約10kgを仕込みました。